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HANA-BI

評価:
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バンダイビジュアル
¥ 4,498
(1998-12-18)

JUGEMテーマ:邦画
「これ、イタリア料理」
 北野武、第七作目。ベルリン国際映画祭金獅子賞受賞。映画監督北野武の名を世界に轟かせた名作。主演は監督である北野武。音楽は久石譲が担当。
 刑事であった西(北野武)は、病気の妻(岸本佳代子)を見舞いに行っていた。その間に同僚であり戦友であった堀部(大杉漣)は張り込んでいた犯人の凶弾に倒れ、半身不随となってしまう。その後、その犯人を追いつめた西だが、抵抗した犯人によって同僚の1人を殺され、部下の1人も撃たれ、激情した西はその場で犯人を打ち殺してしまった。その事件の償いとして、刑事をやめた西だが、お金も無く、やくざからお金を借り、堀部や殉職した刑事の遺族を見舞いながら過ごしていた。そんなある日、医者から妻の余命がもう間もない事を告げられ・・・。
 この映画は何より、セリフが少ない。「北野武」という日本人にはかなりキャラクターのついた人物が主演で、ともすれば映画の雰囲気を喰ってしまいかねないかなと思ったが、そんな事は無かった。むしろ寡黙で最低限のセリフしか話さない事によって、普段の北野とのギャップからか重層性のある深い「西」というミステリアスな人物が出来上がっているのだ。そういった演出のため、この映画は、セリフで進む芝居ではなく、映像で進む芝居であるという特徴がある。映像も説明的ではないため、視聴者は映し出されている場面がどういった場面であるか、常に考えながら映像を凝視しなければならない。理不尽とも思える暴力や、一瞬の表情、効果音、表象の様に次々と映し出される絵の数々を、読み解きながら進む映画であると言える。それはこの映画が分かりにくいという事ではない。強いて言うならば、パズルのピースの一つ一つを見つめながら、「このピースはどこにはまるのだろう」と考えながら埋めていく作業の様だ。ピースの一つ一つに意味があり、ピースの繋がりにも意味があり、そして出来た絵の全景にも意味がある。どれを観てもそれぞれの面白さがあり、深さがある。エンターティメント性と芸術性を一体とし、映画というものにまとめた、そういった特徴を持っている。
 

 記事の続き(ネタバレ注意)
  久石譲と北野武の映像は、絶妙にマッチングしている、特に海の描写が良い。彼らの描き出す海は温かく、同時に生と死が混じりあうイメージを想起させる。特に最後のシーンがそうだ。凧を飛ばそうと砂浜を走り回る少女を、西と妻が見つめるシーンは、彼らの手に届かなかった情景を意味している。それは彼岸に行ってしまった光景であり、子を失った彼らにはもう届かない光景だった。だが、死を目前とした彼らにはその光景は、間近にある。その場所は、彼岸と此岸と混じりあう海という場所であり、全ての生命が混じりあう場所なのだ。その場所をバックとして死の象徴である銃声が鳴らされるあのシーンは、本当に素晴らしい表現だと思った。

at 20:41, 名無し, その他映画

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