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生きてるものはいないのか

評価:
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アミューズソフトエンタテインメント
¥ 3,243
(2012-09-21)

JUGEMテーマ:邦画
 不条理を楽しむ
 「これは暴動の映画ではない。映画の暴動だ」のキャッチコピーで有名な「爆裂都市」を撮った監督、石井岳龍による2012年公開の映画。岸田國士賞も取った前田司郎作の同名の戯曲が原作。音楽はtoddle(ex.Number girlの田淵ひさこ)が担当。エモーションでキャッチーな音楽は感情の出にくい登場人物たちの心情を補完している様にも聴こえる。
 舞台は大学。病院が隣接しており登場人物としては、都市伝説サークルの学生、結婚式の準備をする学生、結婚寸前でまさかの浮気&妊娠発覚の修羅場中の男女、大学病院の医者の人、女医さん、女医さんを訪ねてきたお兄さん、病院の患者、病院の喫茶店の店員、お母さん、ジャニーズっぽいアイドルの人、どこぞの魚好きのお兄さんたち等が入れ替わり立ち代わり出てくる。主演の染谷将太は店員さんで、学生役は実際の学生が演じているものもある。女医さんが前田敦子に似ている、演技それなりにできるのなと思ったら、似ている事で有名な違う人だった。これらの個性豊かな登場人物たちと、大学という都市から断絶した舞台設定で起こるのは、絶望的なパンデミックだ。大学近くで列車事故が起こったというニュースをきっかけに世界の様子は一変する。登場人物たちは突然の謎の発作に襲われ、ばたりばたりと倒れ、死んでいく。そんな中で都市伝説サークルの面々は、大学病院内に米軍の実験施設があるとのうわさを思い出し、病院の地下三階を目指す。
 会話が面白いのでするりするりと観る事ができた。
 


 記事の続き(ネタバレ注意)

 
  という風に、思わせぶりに書いてみたが、別にこの映画はどこぞのアメリカ映画とは違い、ウィルスの原因を探して、どうたらこうたらするヒロイックな映画ではない。ただ単純にばたばたと人が死ぬだけの映画だ。登場人物たちは絶望的にコミカルに死んでいく。美しい死など在ってはならないというかの様に、飲み干した黒糖ラテのグラスをずずずとやりながらだったり、何か変な人に「彼女になって」と迫られながらだったり、友人にドン引きされたりしながら徹底的に不条理に死んでいくのだ。言ってみれば「おくりびと」と真逆のコンセプトの映画だ(観た事ないけど)。死を徹頭徹尾、粗末に扱う。だから、すごく怒る人もいるだろうし、不謹慎だと思って席を立つ人も多いだろうと勝手に思う。つまる所、そういう考えの人たちに対するアンチテーゼなのだ。どちらが正しいとは一概には言えない(現代モラル的には「おくりびと」が正しいのだろうけども)。けれども、路上で情けなくばたりと犬の様に死んでしまう可能性だって無くはない。それだって人間の一面なのだから。そういう不条理さを楽しむ映画だ。全てのものを一様に美しく捉えようとする美徳は撞着している。
 少しだけマイナス点を挙げると、戯曲が原作だという事で、どことなく戯曲らしさが見え隠れしてしまうのだ。マイナス点とも言えないだろうけど、真っ暗な舞台でセット無しで喋る役者の姿が時折見えてしまうのだ。そこら辺のバランスは非常に難しいし、寄ってしまうところも仕方ない。個人的には最後のシーンは非常に好きだ。ディストーションギターをバックに眺める終末の映像美は、舞台では出せない所だろう。
 
 
 
 
 
 
 
 

at 02:07, 名無し, 演劇

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